エジプトの伝統的織物である、コプト織の現物を展示いたしました。今から1800年も昔に製作されたとても珍しいものです。当時から、見事な曲線が作られ技術の高さが伺えます。
手織絨毯ではありませんが、エジプト絨毯の源流ともいえる伝統的な織技術なので、今回の千代田絨毯 秋・冬展示会に参考出品いたしました。
3世紀末ごろのエジプトでは、キリスト教徒が「コプト」と呼ばれていたようで、語源はアラビア語「キプト」のようです。コプト織は、綴織の原点であり「コプト裂」とも呼ばれています。一説によると、エジプトで生まれたコプト織の技術がシルクロードを通って、遠く日本までもたらされ、日本の「綴織」ができたとも言われています。なんとなくロマン漂う話ですね。
コプト文化はキリスト教を中心とした古代エジプト文化ですが、ヘレニズム、ビザンティン、イスラムの影響を受けながら5〜6世紀に最盛期を向かえ、17世紀ごろまで続いたようです。
染織の文様には、裸形の人物図や舞踏図など、ギリシアの神話を題材にしたものが多く、鳩、魚、十字など聖書をテーマにしたと想われる象徴的文様も見られるようです。また、ササン朝ペルシア的な動物、植物、果物などを囲んだ連続円文、連続メダリオンなども見られます。
技法としては、主に経糸に亜麻、緯糸に羊毛を使った綴織、輪奈織、紋織です。染色は、紀元前1600年頃発見された帝王紫と呼ばれた貝紫を主に用いた染色史ではきわめて価値の高い織だそうです。千代田絨毯ショールームで展示中です。