千代田絨毯株式会社

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ニュージャポニズム


 ジャポニスムとは

 19世紀末ヨーロッパの万国博覧会では、日本の漆器、磁器、銀器、七宝、浮世絵などが注目され、ほとんどが印象派やアール・ヌーヴォーの作家たちに高値でコレクションされ、大きな影響を与えました。この日本趣味への大きなうねりの拠点となったのが、1895年にハンブルク出身の美術商サミュエル・ビングがパリに開いた店「ラール・ヌーヴォー・ビング」でした。彼が1875年日本を訪れ、日本の陶器を持ち帰り、1888年から1891年まで月刊誌『芸術的日本』を刊行したことは、ヨーロッパの工芸界にとって新鮮な衝撃でした。
 ジャポニスムとは、この欧米に渡った日本趣味=日本心酔=日本風のことを言います。浮世絵などに観られる「立体感の無い平面的な表現」、「一部を拡大する表現」、「非対称な空間表現」、「間を空ける表現」などがヨーロッパの人々には新たな芸術的インスピレーションを与えました。
 16世紀の南蛮貿易を通してヨーロッパに運ばれ、大きな反響を起した日本の蒔絵・螺鈿などの漆器は、各国に蒔絵技法を真似たラック製品の産業を興し、パピエマッシュ(日本製の漆器をまねた紙の製品)に日本の風俗をそのまま描くことが流行しました。日本を訪れずにただ見聞きしただけで工人が描くため、着物、髪型、持ち物、文字などには中東や中国が混在し、奇異な感じがするものが多くあります。
 日本から運ばれた黒漆塗り漆器や蒔絵、ヨーロッパで作られたまがい物漆器をジャパンやジャパニングと呼ぶことは、いかに日本の工芸品に興味を抱いていたかの証です。


『亀戸梅屋舗』
作者:歌川広重
制作:1857年
『日本風俗図ペンケース』
制作:フランス20世紀
8.5×6.5×2.3cm




 『ニュー・ジャポニズム』ムーブメント

 西洋の工芸品に見える絨毯は、実は、シルクロードの遊牧民族が生活のために作り出した必需品であり、日本でも室町時代から珍重されてきました。
 その後、明治維新による開国で海外の様々な文化と共に、絨毯も流入しました。当時の英国人が畳の上に絨毯を敷き、その上に椅子と卓子(テーブル)を置き、さらに土足でその上を踏んだのです。これが「西洋式のインテリア」となり、絨毯は日本では西洋風のものとなったのです。
 日本文化も徳川幕府の「鎖国令」により、長崎出島でのオランダ、清国、朝鮮以外の国々との交易以外はご法度となっていた時期が260年間ありました。この260年間の鎖国中に花開いた浮世絵や工芸品こそが、前項の「ジャポニスム」に書かれたように、「他国の影響を一切受けていない、日本人本来の驚くべき藝術表現」として、欧米諸国から高い評価を受けたのです。ところが明治維新以後、西欧化をすすめた結果、藝術部門において日本の感覚は低く評価されたまま今日に至っております。日本は、戦後60有余年を経て、近代化140年を迎えます。再び「文化・藝術」の分野で、単なる日本の昔のものという意味の「和」の「日本美」ではなく、「新日本様式」、「新日本美」、「ニュー・ジャポニ ズム」という、現代の先進の科学技術や、世界に誇る一流の日本人のビジネス・マインドを背景とした、新たな力強い日本発の藝術運動を発信する時期だと考えます。そして各藝術の「視覚」、「造形」、「言語」、「音響」、「応用」、「総合」の世界でも、今後大きな「ニュー・ジャポニ ズム」の流れになることを願っています。
 当社は「絨毯」という工芸藝術のささやかな部門ですが、『ニュー・ジャポニズムの藝術絨毯』の世界へとさらに突き進んでいきたいと念願しています。


三田村 有純 作 『桜舞う門』
W40×D52×H68cm /漆・鉛・木・金粉




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